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ありがとうございます / 内田裕也

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 ロックンロールじじい(尊敬を込めて)裕也さんの音楽人生の履歴。交友のある人物ごとにまとめてあり読みやすい。また、とても率直でかざらない言い回しで、あの語り口そのままの調子で軽快です。興味深く、面白く、最高!!いったい何者?という方には、これを読めばいかに日本の音楽業界に貢献されたか、が分かります。イベントのプロデュース、ジュリーなどアーティストの発掘・育成、海外に日本映画をアピール(脚本、出演)など、彼が居なかったらもしかしたら少し状況が違っていたかもしれません。

 音楽で貢献することに対するバイタリティ、人情深さ、感謝と尊敬、誰にも臆することなく正義な態度、時に怒り、飲んだくれてハチャメチャ・・。面白いのは当然でしょう。なかでも、やはりジョンレノン・オノヨーコとのやりとりはとても印象に残る。あとミックジャガーとの対面(私がストーンズファンなので)。クライマックスはジュリーとのこと。音楽界はもちろん、映画業界、ファッション界、スポーツ界、歌舞伎、アイドルなど、本当に幅広い交友関係があり、かつ時代を変えてやろうという挑戦者(ご本人も書かれているように"シンパシー"を感じるのでしょうね)とのやりとり、アクション。当時の雰囲気を想像するとワクワクしてしまうほど。奥様(希林さん、と書かれています)やモックン(娘婿)などご家族のことも書かれています。

 ベストヒットUSAにご出演されていて、この方面白い!と改めて感じ、ついAmazonでポチっていました。私もこの方の貢献度を改めて理解した一人で、とてもおススメです。
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2015-05-22 22:51 : 読書感想/書評 : コメント : 0 :

アドラー心理学入門 / 岩井 俊憲

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 タイトルどおりアドラー心理学の入門書。難しい文章がつらつら続く類のものとは違い、図や世俗的なネタ(ここは賛否両論あると思うが)も交えて、簡易的な内容になっており非常にわかりやすい。心理学というと、フロイトなど難易でアレルギーがあったのですが、アドラー心理学は今の世の中に合っているのかスッと入ってきます。

 人間、感情の生き物ですし、思い込みが大きく行動に影響してしまいがちですが、例えば、『判断基準は建設的か非建設的か』、『人間の行動には原因ではなく、未来の目的がある』など、感情に流されず第三者的視点にたち前向きに生きていけるヒントがちりばめられています。

 また、怒りに対する処置方法や、人を注意するときの目的など、日々の生活に役立つアイディアまで心理学から関連付けられていて、知るだけでなく、実践的でもあります。

 書店に行くと、自己啓発系の棚に、アドラー関連本が多いです。立ち読みでもある程度理解できてしまうほど軽いものが多い印象ですが、アドラー心理学自体は真をついているようでとても気に入りました。
2015-05-10 21:27 : 読書感想/書評 : コメント : 0 :

決めて断つ / 黒田博樹

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 黒田さんが歩んできた野球人生。目標を1つ1つクリアし、1本ビシーッと筋が通った思考をもち実践していく強さ。辛い準備を怠らず、常に闘争心をもち、妥協を許さない姿があぶりだされます。クオリティスタートの多さが物語る高アベレージで評価をうけ、とうとう世界一のヤンキースのローテーションピッチャーまで登り詰め、そしてカープ復帰。その間、数々の葛藤、決断を繰り返してきた、本人の口から語られる苦悩の日々。痛々しいほど。球界のエースが次々にメジャーに行きますが、1年間フルでローテーション守れているピッチャーが少ないことからも、黒田さんの凄さを実感できます。

 野球に取り組む姿勢、マウンド上での考えがわかるので、観戦時の見方も広がりより興味深くなります。 カープファンにとっては、カープへの想い、ファンへの想いは涙ものです。こんな黒田さんがいるチームのファンであることが本当に喜ばしい限り。めったに優勝できなくても、これだからやめられない(!?)。

 にじみでる"男気"の背景が痛烈に分かる、そして一層の尊敬。痺れます。
2015-05-04 14:49 : 読書感想/書評 : コメント : 0 :

挫折を愛する / 松岡 修造

挫折を愛する (角川oneテーマ21)挫折を愛する (角川oneテーマ21)
(2012/12/10)
松岡 修造

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 松岡修造さんの挫折の捉え方・乗り越え方。本のタイトルどおり、挫折は悪いことではなく、前向きに捉えて今後の成長に繋げるチャンスだということを学べます。イメージからすると、精神論をかざして刺激を与えそうな感じですが(逆にそれを期待する気持ちもありますが)、とても冷静な分析のもとアドバイスをしてくれる、というような内容でした。

 ご自身の体験や、著名アスリートとの交流・取材の中からの言葉が多く盛り込まれているので、とても楽しみながら読め、それによる納得感も得られると思います。何より、世界で活躍した修造さんですし、出てくるアスリートも錦織圭さんや、伊達公子さん、北島康介さん、浅田真央さん、萩原智子さん、内村航平さん、川内優輝さん、杉原輝雄さん、などなど、ワクワクするような方ばかりなので当然ですね。皆さん、例外なく挫折を経験し乗り越えている、エピソードも泣かせます。さすがは修造さん、対象のアスリートと同じ目線なので、非常に真を突いておられます。それが相手にも分かっていて、心を開くのでしょうね。相互共感です。素晴らしいなぁ。

 そして、ご自身のテニス人生も高校生時代から振り返られており、色々な壁や葛藤を克服してきていることが分かります。修造さんファンとしては純粋に興味深いところ。意外だった(と言ったら失礼ですが)のが、引退された後の現在のお仕事(スポーツキャスターやテニス協会関連)での取り組み方です。例えば企画提案をしてもなかなか受け入れられなかったり、イラっとくることを言われたときの対処方法の考察・検討過程がとても冷静沈着で理にかなっていること。情熱的な彼の背後には、このような努力があることに感心させられました。

 得たものとしては、『自分を信じ、諦めない』『そのために心に鬼教官を持つ』『目的を失わず、戦略をたてて交渉に臨む』『相手の立場に立ってみる』『すぐにイラっとせずに聞いてみる(傾聴力)』ということでしょうか。並べてみると特に新鮮なものはありませんが、修造さんからの教えという価値が重いのです。

 待ち合わせの時間潰しに入った本屋さんで立ち読みしていて、熱き男 修造さんにムチを入れてもらおうと、ふと手に取った本。読み始めるとついつい引き込まれてしまい、レジに並んでいました。もんもんとして挫折感がなくもない状況からの必然だったのかも知れません。すべてがスカっとしたわけではありませんが(そんなこと有り得ないので仕方ありません)、前向きな気持ちを後押ししてくれました。有難う!益々ファンになりました。
2013-05-12 08:12 : 読書感想/書評 : コメント : 2 : トラックバック : 0 :

山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた / 山中 伸弥

山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた
(2012/10/11)
山中 伸弥、緑 慎也 他

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 ノーベル賞受賞し日本に明るいニュースを提供してくれた山中さん。今や聞いたことない方はいないのではないかというiPS細胞。おそらく世界で認知度が一番高い国なのではないだろうか。お人柄も評価されている中、どんな方なのだろうとこの本を手に取りました。

 山中さんの生い立ちから研修医時代、研究職時代の半生を何とも実直で柔らかい口調で描かれておられ、とても分かり易く読みやすかったです。もちろんiPS細胞の説明についても、一般人でも理解できるように、簡単にイメージできる例示を用いて説明してくれているので、分かった気になれます(それほど簡単なものではないのでしょうが)。一見真面目で難しそうに見えますが、そこは関西人、ユーモアも散りばめられています。iPS細胞の命名ピソードもしかりです。

 何はともあれ、様々な教訓や知見を得られ非常に勉強になりました。

①iPS細胞の何が画期的なのか、と広大に広がる可能性
(倫理的に問題のない方法で、多様に変化する細胞を簡単に大量に作成できる!そして利用方法もたくさんの可能性がある。利用方法を考え、プレゼンする能力も必要なのですね)

②研究はスピードと粘りと予算が必要な厳しい世界
(ものすごい長期スパンで計画を立てつつ、目先で結果も出さなければいけない。本当に1秒を争う競争。)

③失敗や苦労から得られるものが大きい
(失敗や苦労が本当に多い。でもそれには意味がある!だから、それをどう捉えて次に繋げるかが重要)

④人には得手/不得手があり、可能性も無限に広がっている
(この山中さんが研修医時代「じゃまなか」と呼ばれていたなんて・・。でも今の山中さんの状況は、自分で切り開いたものだと分かります)

 これらは、医療の世界だけではなく、汎用的に言えることです。また、本の中で見えてくるお人柄が、ニュース等で伝えられるそれをより実感してきます。奢りが全くないですし、感謝の言葉がとても多いです。素晴らしい方ですね、大好きになりました。今は既に利用に向けて世界でスピードの競争が激化しているといいます。日本には山中さんがいる、何と勇気を与えてくれるでしょうか。これからも何かやってくれるでしょう、確信しました。応援してます!
2013-03-11 01:51 : 読書感想/書評 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

親子で挑んだ公立中高一貫校受験 / 鈴木亮


塾不要 親子で挑んだ公立中高一貫校受験 (ディスカヴァー携書)塾不要 親子で挑んだ公立中高一貫校受験 (ディスカヴァー携書)
(2007/06/20)
鈴木亮

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 新聞記者である著者が、公立中高一貫校についての概要、入試の傾向、自身(息子さん)の成功体験記を綴る内容。新書でコンパクトに纏められており、また教育関係者でない第三者が書いている点でも参考になると思う。新聞記者だけあって、完結でとても分かりやすいところもGOOD。まず忘れないであろう言葉が以下になる。

『公立中高一貫校は私立以上に、親の受験だと思う。親がどれだけかかわれるのか、どれだけ勉強を見てやれるのか、極めて重要だ。』

 なぜなら、問題形式が他の受験と違い、一線を画している。すべて記述で、知識の詰め込みだけでは解けないという。「経験に基いて答えなさい」「なぜそうなったのか、理由を書きなさい(思考プロセスの重視)」「スケッチしなさい」「工夫を述べなさい」など、ユニークな問題・作文が多く、いわば『小学6年生にこれまでの12年間の生き様を質している』のだから、『親が一緒に考えてやるのは当然だ』となる。そこで副題の”塾不要”となるのだ。時事に対する感心と、広い観察力、論理的思考と、抜きん出た分野があるという”極める”姿勢が問われる。これは塾のテストができなくても関係ないのでチャンスだが、別の意味で難しい(勉強してもそうそう身につくものでないのだから)。なるほど、このようにして可能性のある子どもたちを選抜しているのが分かった。

 そして入学してからはというと、これまたユニーク。各校特徴があるようだが、この本で紹介されている九段中学は、各企業と連携して実習をしたり、塾講師を招いて土曜日授業をしたり、英語に力を入れてグローバル人材を育てたりと、面白そうだ。さらに先生の異動が少なく、6年間同じポリシーのもと教育されるというのも大きい。私立でも地元の公立でもない新しい『第三の選択肢』となっているという。こんな環境で、かつユニークな可能性のある子供たちと一緒に過ごす6年間は、収穫が大きくなると期待せざるを得ない。まだ歴史は浅いのでその効果やデメリットがどれほどかというのは評価が早いと思うが、その後の進学状況を見るに効果はありそうだ。ただ進学だけでの評価ではなく、将来社会人になってどれだけ社会に貢献できる人間になるか、ということが大事でそのようなデータも将来的には見られるようにし、教育全体の向上につながればなお一層良いだろう。

 さて、先の忘れないであろう言葉は、そうなのだろうと思うだが、拡大して捉えると、どういう大人になるか、という課題に対しても同じ事が言える。勉強に関わらず、関わり方/教え方が重要で、要は自分の時間を潰しても、手塩にかけた分だけ可能性のある大人になる、ということを突きつけられた思いだ。親としては、当然 子供たちには可能性のある大人になってほしいのだが、自分はそれに見合った行動がとれているだろうか・・。反省とともに今後の覚悟が必要だ。

 所詮、彼らの人生なのだが、少なくとも燃料をたくさん積んだロケットがある発射台までは連れて行ってあげたい。遠くまで飛んでいけるように。あとはどの方向に飛んでいこうが自由だ。でも、その前に健康で、人に迷惑をかけない子になってくれればいいのだが。。
 
 なぜこれを読んだかというと、突然娘が「中高一貫校に行きたい」と言い出し、入塾を希望したからだ。正直、今まで勉強しろとはほとんど言ってないし、それほど勉強が好きというわけでもないので、意外だった。地元の公立中学、高校でと漠然と思っていたが、教育の環境を作り将来の幅や深度を持たせてあげるのも親の義務という思いから、どんなものかと手にとって見たのだ。明確な将来の夢もない段階では、何かに特化した教育よりは、個性をのばし、人間性と教養を磨ける環境がいいだろう。そういう観点から、中高一貫校の環境はいいかな、と感じられた。さてどうしようかね、どうなるかね。

#スイミングスクールのコーチになりたいと以前言ってた時は「だったら勉強より、今習っているスクールの日数を増やせ」と伝えたことがあるが、そうなっていないところを見ると、本当の夢ではないらしい。
2012-07-19 23:50 : 読書感想/書評 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

死都日本 / 石黒 耀


死都日本 (講談社文庫)死都日本 (講談社文庫)
(2008/11/14)
石黒 耀

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 南九州が巨大火山で火砕流で埋め尽くされ壊滅、日本全体も火山灰に覆われ死都と化す。そして東海・南海・東南海地震、富士山噴火が迫ってくるという壮大な物語。1日で数百万人の命が失われる。世界も氷河期に入り食糧危機、それに伴う戦争が現実味を帯びてくる。現実の研究結果に基づいた論理展開により、リアリティ満点だ。実際火山が爆発したら、あり得ない話ではなく、ものすごく現実味ある話だ。そして現実に火山は爆発する。ピナツボ火山やアイルランドの火山は記憶に新しい。あれより巨大な火山が噴火しないという根拠はどこにもないのだ。ましてや、火山帯に位置する我が国はまさに当事者。

 この本の主役は学者と総理大臣。古事記など太古の話を絡めて火山を語り、地形調査などのデータから火山活動を読み解く思慮深い火山研究者。そして、迫りくる大災害に巧みな、そして雄大な国家戦略をもって迎え撃ち、実行に移すとともに地獄の中に夢をも与える未来を示して国民を勇気づける総理大臣。この2人が奇妙に絡み合って展開してゆく。24時間の出来事を600ページ強を使って描かれている。火砕流からの脱出劇、埋もれる街の様子、緊迫する中央政権、迫りくる次なる災害、国家間の緊張。細かい描写と専門知識による解説で、すごいリアリティだ。

 主人公2人は今の日本にも居て欲しい、と思う。この本のリアリティも、今の日本を見ていると、せっかく秀逸な2人に限ってはフィクションを感じてしまう。初めてこの手の大災害小説を読みましたが、とても楽しめた。そしていつ起こるかわからない災害に対する心構えも出来、あまりのインパクトの大きさに忘れずにいられる というところもいいかも知れない。探してみると他にも結構あるのね 大災害小説、「日本沈没」くらいは知っていたが・・。
2012-06-16 21:12 : 読書感想/書評 : コメント : 0 : トラックバック : 3 :

ル・コルビュジエを見る / 越後島 研一


ル・コルビュジエを見る―20世紀最高の建築家、創造の軌跡 (中公新書)ル・コルビュジエを見る―20世紀最高の建築家、創造の軌跡 (中公新書)
(2007/08)
越後島 研一

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 コルビュジエの建築歴を①革新 ②変貌 ③成熟と時代分けを行い、各時代の建築物を評価します。革新時代の代表作はサヴォワ邸、成熟期はもちろんロンシャン教会堂。2つ全く異なる特徴を持った作品を対比させ、いかに変貌していったか、を明らかにするといった内容です。

 モノクロですが、解説する作品の写真、模型、デッサンがタイミング良く掲載されているので、分かりやすく、とても親切です。コルビュジエに関する背景を扱う、というよりは建築物そのものにスポットを当てているので、多少硬さを感じますが、簡易に素人でも分かりやすい解説。

 いつもながら、コンクリート打ちっぱなしの潔くすっきりした佇まいに目を奪われます。一種、彫刻のような造形物とも捉えられ、住まいという面もありますが、芸術的な”作品”として主張しているようです。ただ、耐震性はどうなのだろう?住み心地はいかに?という疑問は持ち続けているのは確かです(そこを考えてはいけないのかな)。この本では、雨漏りがひどかったというエピソードも紹介しています。それが構造上の問題なのか、大工さんの腕の問題なのかは分かりませんが、何となくあ~やっぱり・・と思ってしまったのですね。

 最後の章では、「日本への影響」ということで、主に丹下健三さんや安藤忠雄さんなど、コルビュジエに影響をうけた建築家、およびその作品を紹介しています。当時の国内におけるコルビュジエの評価の高まりを感じます。なかなか良い企画。これからも様々な方に影響を及ぼし続けるでしょう。偉大だ!

 安藤忠雄さんの「コルビュジェの勇気ある住宅」を読んだ後は、もっとコルビュジェを見たい!と思いましたが、こちらの本は、もっと建築作品を見たい!と思いました。
2012-06-10 06:45 : 読書感想/書評 : コメント : 0 : トラックバック : 1 :

ル・コルビュジエの勇気ある住宅 / 安藤 忠雄


ル・コルビュジエの勇気ある住宅 (とんぼの本)ル・コルビュジエの勇気ある住宅 (とんぼの本)
(2004/09/22)
安藤 忠雄

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 建築家 安藤忠雄さんが近代建築の巨匠 ル・コルビュジエの住宅作品を解説する内容。写真も豊富で、建築物はもちろん、当時の巨匠の姿やデザイン図、現地の様子、模型など、とてもバランスがとれている。「どんな感じなのかなぁ」と思うものが、タイミング良く写真で紹介されている感じなので、ストレスがなく、イメージとともに読み進められる。

 解説内容は、建築された時代背景やコルビュジェの過ごした環境をもとに、どのような想いが込められているかを分析。新しい概念を生み出すイノベーションの風を感じ、また既成の常識では評価されない中でも概念を貫く闘う姿に強さを感じる。安藤さんが、実力者同志ならではの深い理解と共感を覚えている様子が伝わってくる。中でもコンクリート打ち放しの構造は、コルビュジェ作品の特徴であり、安藤さんの作品も影響を大いに受けている、とあります。安藤さんの作品にも触れ、うまく比較されている。

 生涯300のプロジェクトを手がけ、建築物から家具、絵画とその内なる芸術的センス、パワーを爆発されているのだが、そのわりにここに収められている作品数は少なく物足りないと思う方もいるかもしれない。住宅に関してのみ8作品がメインになっているからだ。しかし、エッセンスは十分に味わえ、不満はない。さらに安藤さんのコルビュジェに対する敬意と愛情を感じるとともに、コルビュジェの人間性にも触れられる点も良い。

 順風満帆なイメージだっただが、このような革命家的な闘う姿があったのは新鮮(安藤さんとも共通しますね)。後半の章では愛する妻との生活や海岸沿いののどかな風景に囲まれた終の棲家の写真、暮らしを紹介。穏やかな姿に心を和む。そして自殺ではないかという自宅近くの海岸で心臓発作で旅立つ・・。

 130ページ弱ですが、上質紙ですし、内容も品がある。とても満足感が高い本です。安藤さんの解説&分析がGOOD!増々、コルビュジェ作品を見たくなります。この続編版がないかな。
2012-05-15 02:50 : 読書感想/書評 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

植松努さんオススメの

 先日読んだ「NASAより宇宙に近い町工場」の著書 植松努さんがオススメする本を即購入。どんだけ信頼しきっとるのかというのは置いといて・・、感銘を受けたらまず行動ということ。

①紙飛行機

新選 二宮康明の紙飛行機集〈1〉 (切りぬく本)新選 二宮康明の紙飛行機集〈1〉 (切りぬく本)
(2005/12)
二宮 康明

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 息子と一緒に作ってます。だんだんハサミの使い方が上手になってきました。調節をうまくやらないと飛びませんが、そこもあきらめないで工夫して飛ばせるようになった喜びが良かとです。作って楽しい、飛ばして楽しい。ペーパークラフトまで手を出してしまいそうです、と息子も私もハマリ気味。やっぱり工作は昔から好き。

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②もののはじまり館

21世紀こども百科 もののはじまり館21世紀こども百科 もののはじまり館
(2008/12/06)
近藤二郎

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 こちらは娘と読んでます。これは、様々な"もの"の始まりとその後の発達・発展を解説しています。その”もの”とは、自動車/飛行機/自転車/鉄道などの乗り物から、冷蔵庫/コンピュータ/電子レンジなどの電化製品、学校/お金/銀行/消防/警察など公共のしくみ、カレーライス/すしなどの食物、衣服/家/祭り/星座/地図/単位などの生活に関わることなど、本当に幅広いです。写真や図なども多様していますし、時系列で発達の経過も分かるようになっているなど、理解しやすい構成・内容です。これは大人でも十分楽しめますね。

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 植松さん、いいとこ突いてくるわ~、さすが。有難うございます。何かと子供たちの口から「できないよ」「無理」と聞くと、自分が諦めが早い人間に育ててしまった、もしかしたら何か可能性を消しているのかも知れない・・と凹みますが、反省して今からでも遅くないと思って頑張ろうと思ってます。
2012-05-08 21:42 : 読書感想/書評 : コメント : 0 : トラックバック : 1 :

NASAより宇宙に近い町工場 / 植松 努


NASAより宇宙に近い町工場NASAより宇宙に近い町工場
(2009/11/05)
植松 努

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 とても素晴らしい方に出逢いました。あるセミナーで公演を一番前の席で聞かせていただいた、北海道赤平市にある植松電機 専務取締役の植松努さんです。その植松さんが書かれた本がこれです。内容に無駄がなく、大げさにいうと全てに感銘を受けたので、サマライズしようにも結局本そのまま写すような感じになってしまいそうです。

 日本の衰退を憂い、原因を突き詰めていったところ、「どーせ無理」と何事も諦めてしまう風潮に行き当たります。小さい頃、大人たちに夢を否定されたエピソードや、社会人になってからも楽をして努力しないことをヨシとする同僚など、半生を顧みながら紹介し、諦め風潮の背景を解析しています。

 この状況を打破すべく、よりよい世の中にするべく情熱を傾けておられます。それは、北海道のかた田舎で約20人の社員の会社が、宇宙開発することで、周りの人たちに「夢は諦めるな!」という意識を目覚めさせ、鼓舞しておられます。今、その取り組みは、開始から10年経たずして、NASAやJAXAから仕事の依頼がくるまでになっています。凄すぎです。さらに伝える活動として、子供たちにはロケット教室を、大人には講演ということで、今や全国を飛び回っておられるようです(私の聴かせて頂いた公演でも、次の予定があるとのことで終わると同時に出発されていました)。「どーせ無理」から「だったらこうしてみたら」への意識改革を促します。さらには、会社敷地を拡張し、そこに教育施設までつくる計画が進行中というのですから、その本気度は半端ではありません。これらの経緯やバックグランドにある人生論が、この本には程よくユーモアを交えて盛り込まれています。いや、素晴らしいです。

 人は世の中をよりよくしたい生物で"工夫"ができることから『すべての人は世界を変える可能性があるんです。人の役に立つ可能性があるんです。だから、人を殺してはいけないんです。可能性を奪うことが罪なんです。』と仰られています。人を否定することで、その人が諦めてしまったら、それは罪なのだ、ということも。ごもっともですね。

 ではなぜ否定するかというと、『何もしないから自信が持てないのに、楽をして自信を得るために、自慢をし、あら探しをし、評論をする』からきているのでしょう。その"楽"については、『楽をすると「無能」にしかなれません。能力というものは、経験しなければ身につかないからです。経験をしなければ能力はなくなります。』と戒めております。さらに、『手加減した働き方をしていると、手加減した人生の生き方になり、人生の時間がもったいないんです。その職場という環境を生かして学べることを徹底的に学ぶんです。』とアドバイスされています。重いです。そして、

夢とは、大好きなこと、やってみたいことです。
そして仕事とは、社会や人のために役に立つことです


と集約します。これには"お金"のことは入っていません。『人生、最後に勝つのはどれだけ「やったか」です。どれだけ「もらったか」ではありません。』だからです。読書や学習することで、お金を"知識"に変えれば、それは目減りしない価値として貯められること(お金の価値は不安定で信じられないのに対し)、目先のビジネスに繋がらない(金銭的に儲からない)ことでも、ノウハウや人脈というお金では得られない価値・チャンスがあるのだという訴えからも、"お金"にとらわれていないことが分かります。

 2時間の公演と聞いて、最初は正直「えっ、長っ・・」と思ったのですが、始まってみるとあっという間。終わると、感動のあまり、次の日にはこの本と下のDVD(2009年の公演の様子)、さらにオススメの本(別途ブログに記載予定)を購入してしまいました。私の単純さにも程がありますが、これだけインパクトを受けたことはあまり無かったので仕方ありません。小さいころ校長先生が、3本の木をプレゼントするといって「やる気・本気・根気」をあげていましたが、それに元気を加えて4本の木(気)を刺激すること間違いなしです。早速、会社で想いを一緒にする同志に本とDVDを使って広めようとしています。「どーせ無理」撲滅運動だ!


【DVD&ブック 】植松努の特別講演会 きみならできる!「夢」は僕らのロケットエンジン ―北海道の小さな町工場が“知恵【DVD&ブック 】植松努の特別講演会 きみならできる!「夢」は僕らのロケットエンジン ―北海道の小さな町工場が“知恵
(2009/09/15)
植松 努

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2012-05-06 00:35 : 読書感想/書評 : コメント : 0 : トラックバック : 1 :

進化する強さ / クルム伊達公子


進化する強さ (一般書)進化する強さ (一般書)
(2012/03/22)
クルム伊達公子

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 伊達さんの人生観が、よく分かる内容です。もちろんテニスのことが中心ですが、テニスプレイヤーというよりは、ひとりの人間として捉えられます。1コラム2ページづつ、90弱のコラムが10テーマに分けて構成されいるので、すっと読め、すっと身にしみる感じ。人間力が高いというか、魅力的というか、、本当に素敵な女性だなぁ、と読みいってしまうこと間違いなし!

 嫌味なく皆に愛されている理由が、これを読めば分かります。ご自身のことをすごくよく理解されていて、一本芯が通っていて考えもぶれず、自分らしさを追求しておられます。また、ご自分の生活のスタイルを確立していて、それがとてもリーズナブルで感心させられます。様々なご苦労や、極度の重圧があったからこそたどり着いた境地、そのお人柄が前進からにじみ出て、かつあの素晴らしい笑顔になるわけですね。激しい頑張ってる姿の中にも、清々しいオーラ満点で、周りの人を元気づけてくれる存在。そんなことも、ご本人は理解していて、お互いが励ましになっている、有り難いことと捉えているようです。謙虚だなぁ。

 負けず嫌いで、根っからの勝負師。第2のテニス人生を、"復帰"ではなく"新たな挑戦"として捉えており、またテニスを本当に楽しんでいる姿は、ゲームやインタビューを見る度に感じられます。強さと女性らしさのバランスもいいですね。チャレンジし続ける姿。挑戦が人生を楽しくさせる、との思いがビシビシ伝わってきます。『挑戦しないのは既に負けている、挑戦しないことで後悔はしたくない』とまで言い切っておられます。同世代なので、刺激受けますし、励まされます。俺も頑張るぜ!と。

 ご主人(レーサーのミハエル・クルムさん)との夫婦関係も自然で、お互いを尊重していて、いい関係なんだな、というのがうかがえます。見習わないとなぁ。よく拝見している彼女のブログ。ほぼ毎日更新しているのにも、理由があるのですね~(本書参照)。
2012-04-07 04:15 : 読書感想/書評 : コメント : 2 : トラックバック : 0 :

これからの「正義」の話をしよう / マイケル・サンデル


これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学
(2010/05/22)
マイケル・サンデル

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 ハーバード大学教授サンデル氏の著書。何が「正義」かを哲学の観点から分析していきます。「正義」はこれだけでは定義できないもので、「公平・平等とは?」「道徳的美徳とは?」「幸福とは?」という関連する事項と一体となって展開されていきます。哲学というと、わざと分からないように言っているのではないかと思うほどに私にとっては難しいのですが、この本は苦痛なく読めました。

 その理由のひとつは、非常に好奇心をそそる問題提起をし、それに対して平易な言葉で解説している点です。例えば「路面電車がこのままだと事故を起こし多数の犠牲者が出るが、今この男を落とせば彼だけの犠牲で済むが、どうするか?』というようなものです。そして、もうひとつの理由は、著名な哲学者の言葉を引き出し、とてもわかりやすく解説を入れ、関連付けてくれることです。これは非常に有難かった。印象に残ったものとしては、

◆カント
『功利主義は、何が最大の幸福をもたらすかを権利の基準とすることで、権利を脆弱にしている。多くの人に喜びを与えるものが正しいものとは限らない。』

『自律の概念とは、自分が定めた法則に従って自律的に行動するとき、われわれはその行動のために、その行動自体を究極の目的として行動している。われわれはもはや、誰かが定めた目的を達成するための道具ではない。』

『人間の尊厳を尊重するのは、人格そのものを究極目的として扱うことだ。』

『だからこそ功利主義のように、全体の福祉のために人間を利用するのは誤りなのである。路面電車を止めるために太った男を路線に突き落とすのは、彼を手段として利用することであり、彼を究極の目的として尊重しているとは言えない。』

『ある行動が道徳的かどうかは、その行動がもたらす結果ではなく、その行動を起こす意図で決まるという。重要なのは、何らかの不純な動機のためではなく、そうすることが正しいからという理由で正しい行動をとることだ。』

◆ロールズ
『才能は道徳的に恣意的なものなら、道徳的功績に報いることが分配の正義ではない。(略)実力主義社たちの見解を批判する。それは、成功を妨げている社会的・経済的障壁を取り除けば、人は自分の才能がもたらす報酬を受取る◇があるというものだ。(略)分配の正義とは、ゲームのルールが決まった段階で発生する正当な期待に応えることだ。』

◆アリストテレス
『「幸福」という言葉を功利主義的な意味~快楽を最大に、苦痛を最小にすること~で使っていない。徳のある人とは、快楽と苦痛を、それぞれ適正なものについて感じる人のことだ。(略)幸福とは心の状態ではなく人間のあり方であり、「美徳に一致する魂の活動」なのである。

『道徳的な意味での美徳は習慣の結果として生れる。(略)絶えず道徳的な行動に励むことによって、道徳的に行動する傾向が身につくのである。』

『適切なことを「適切な人に、適切な度合いで、適切なときに、適切な動機から、適切な方法で」する。(略)新しい状況はつねに現われ、われわれはそれぞれの場面でどの習慣が適当かを知る必要がある。したがって、美徳には判断が必要だ。』

などが挙げられる。まだまだ消化したわけではないが、何となくぼやっとイメージできるものはある。"考える"材料としても使える良書だと思う。価値観が多様化して、グローバル化でさらに多くの人種と付きあうことが求められている今、まさにこういった"芯"となる哲学は必要なのだと思う。勉強勉強~。思考思考~。
2012-03-10 18:00 : 読書感想/書評 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

1日1分レッスン! TOEIC Test / 中村 澄子


1日1分レッスン!TOEIC Test パワーアップ編 (祥伝社黄金文庫)1日1分レッスン!TOEIC Test パワーアップ編 (祥伝社黄金文庫)
(2006/02)
中村 澄子

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1日1分レッスン!新TOEICTest (祥伝社黄金文庫 な 7-5)1日1分レッスン!新TOEICTest (祥伝社黄金文庫 な 7-5)
(2007/10/11)
中村澄子

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 ちょっとふと思いたってTOEICを受けてみました。十何年ぶりですが、見事玉砕。まずリスニング、途中から訳わからん、リーディングは最後まで到達できず(こんなに文章題多かったかな)・・。これはマズイ! 劣化著しい。真面目に勉強しよう、と認識した日になりました。良かった良かった(?)。

 お気軽な気持ちだったので、この文庫本2冊で望んだのですが、もちろん足りません(おめでたい奴)。が、これはこれで良い本です。持ち運びが楽チンだし、ちょっとした時間で確実に進める。若干安易だけど、ダレきった脳みそには良いリハビリとなりました。1ページに問題、その裏側の1ページに回答と解説、もちろん単語の意味も掲載しています。新TOEIC Testの方は、WEBから音声もダウンロード可能という親切設計。

 さて、次は1月にするか3月にするか・・。何はともあれ、勉強するモチベーションは大事。
2011-11-29 22:13 : 読書感想/書評 : コメント : 0 : トラックバック : 1 :

ガウディ建築入門 / 赤地 経夫、田沢 耕


ガウディ建築入門 (とんぼの本)ガウディ建築入門 (とんぼの本)
(1992/01)
赤地 経夫、田沢 耕 他

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 ガウディの建築物から家具やリテールまでの写真が多く掲載(白黒写真が中心ですが一部カラーも有り)されており、値段のわりに嬉しい仕上がり。その中にコラム形式で建築の解説やガウディのエピソードが散りばめられています。内容も"入門"というとおり、私のような素人にも分かって有り難い。

 エピソードの中には、カタルーニャ地方の歴史的背景や文化も描かれており勉強になりました。ガウディが警察とのやりとりでカタルーニャ語に拘っていた場面が冒頭にありますが、権力に屈せず文化を大切にする姿勢にとても好感が持てます。

 写真もいいですね。見たいと思う物を見たいと思うアングルから撮られたものが多い。ツボを抑えています。同じような写真は都度都度見るのだけど、その度に感動させるガウディ建築って凄い。バルセロナに行きたいという想いをまたもや深めてしまった・・。
2011-11-26 01:15 : 読書感想/書評 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

国をつくるという仕事 / 西水 美恵子


国をつくるという仕事国をつくるという仕事
(2009/04/07)
西水 美恵子

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 世界銀行 南アジア地域 元副総裁の西水さんの著。月刊誌に連載されたコラム「思い出の国 忘れえぬ人々」が元となっているようです。そのコラム名の通り、長年 世界銀行の融資対象となる南アジアの発展途上国の監視助言業務に際して訪れた国々やその国のトップから一般国民(主に貧民)までの人々とのふれあいが描かれています。読者は、"その国の状況というのはリーダー次第"という漠然とした事実を実感することになります。そういう意味で、このタイトル「国をつくるという仕事」は的を得ています。リーダーが良ければ、政治は好転し、国民も幸福に向かう、と。 担当地域が南アジアということで、触れられている国は、インド、パキスタン、スリランカ、ネパール、ブータン、スリランカ、トルコ、バングラディッシュ、ハンガリー、アフガニスタン、モルディブ。

 そこには、苦しむ国民がいます。政治の腐敗、戦争・紛争に巻き込まれ貧困で目を覆いたくなるような悲惨な生活環境。著者が世界銀行に入るきっかけも、貧困街で抱き抱えた少女がそのまま腕の中で死んでしまうという。だいたいそのような国はリーダー不在、もしくはいても私利私欲むき出しの独裁者。そんな国の役人は賄賂天国。これでは、末端の国民は救われるわけがない。読んでいるだけでも腹立たしく、虚しく、悲しくなる。そんな状況に毅然とした態度で各リーダーと対面する著者の姿が、現地の人々には何とも心強かったことか、と思う。

 逆に希望も多い。地域の草の根運動的な改善や国民の心粋、そして素晴らしいリーダーたち。特にこの本でスポットされるのは、ブータンという国自体と国王であるワンチュク雷龍王、インドのシン首相、パキスタンのムシャラフ元大統領。著者が彼らをリーダーとしてとても評価しているのが分かります。『指導者の資質が国のガバナンスのよしあしを決め、良いガバナンスは貧困解消を促進する』とあります。現場に踏み込んだ著者ですから信頼性もあるでしょう。ぜひ別の本でも勉強しようと思う次第です。

 特にブータン国王については、最近でも話題になっているように「国民総幸福量」を提唱しています。この本ではブータンを『世界で一番学ぶことが大きかった国』とし、国王を『人を引きつけるビジョンと情熱、右ならえをせぬ勇気、人の上に立つは下に居ることと知る謙遜、異なる進展や反対意見を重んじる寛容、信念鉄の如く、ほれぼれするほどつながる頭とハートと行動、まことの力は、自ら権力を放棄してこそ授かるものと熟知する人徳、まとめてカリスマ、重量感。』がある人と絶賛しています。
 政治の特徴としては、『どの国も、政治の歴史は改革の歴史。ブータンも例外ではないが、ただ先取りがうまい。我が国のように痛みがひどくなるまで改革を怠り、治療はさらに痛いからと妥協、「癌に絆創膏」のようなことはしない。』とあります。洞察力もさる事ながら、この言いっぷりは爽快ですね。

 恥ずかしながら、このような世界的にご活躍されている日本人がおられたことを存じませんでした。いや~、素晴らしいです。国民の幸福を一番に思うその徹底した一貫性とともに、トップにも率直に意見する姿勢が凛々とした印象で気持いい。各国のリーダーからも頼りにされたことでしょう。そして現実を知るための行動力にも感服させられます。貧民街に寝泊まりするほどの徹底ぶりで、当然そこの人々の心にグッと入り込み本音の会話ができるまでになります。だからこそ、リーダーへの発言は重みを持つことになるのですね。リーダーや国民との出逢いを大切にされているご様子からも人間性が垣間見れます。

 この本から読み取れるリーダー論は、国だけでなく、企業などあらゆる団体に言えることだと思います。配下の人々のことを一番に思い、私利をなくし、将来を見据えて一心に行動する。それが人々の心をつかみ、世を動かし、時代をつくる、ということ。ただ、直接その結論は言わずにじわじわと実感させられる、外堀から埋められると申しましょうか。理路整然と書かれているだけだと"またか"と思うけど、この本は臨場感も重なり、本当に実感させられます。

(注意:せっかくのこのような良い本なのに、最終章の第三者による考察がまとめすぎだし、その方の解釈がくどくて興ざめです。まぁその部分を読まなければいいだけなのですが・・)
2011-10-30 10:01 : 読書感想/書評 : コメント : 2 : トラックバック : 0 :

夢に日付を! / 渡邉 美樹


夢に日付を! ~夢実現の手帳術~夢に日付を! ~夢実現の手帳術~
(2005/10/24)
渡邉 美樹

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 ワタミの渡邉美樹会長の著書。序章で副題"夢実現の手帳術"のノウハウを次のようにまとめておられます。『夢に日付を入れて、夢と現実の差を明確にし、その差を日数で割り、日々やるべきことをやり抜く』。しかしながら、この本は、『手帳のノウハウ本ではなく、生き方のノウホワイ(=なぜやるか)本』です。要は、夢の実現や幸せになるために考えないといけないことを、著者ご本人の実践から紐解いています。

 ちょっと宗教的、哲学的。もともと素質がある方が、普段から深く思考した結果なのだと感じる。まずは人生について語られている内容に感銘。私の中の人生観に新たに加わりました。

『人間は夢を実現するためのプロセスのなかで、自分を高めていくために生まれてきた。』

『人生はあるべき人格を身につけるための旅であり、その旅を行くがゆえに人は幸せに生きられる。』


 これは、方向性として、"欲望”の制限(=煩悩を消すことになりますでしょうか)を勧められているのだと思います。特に"物欲"について『物欲だけで突き進んでいくのは、あまりにも寂しい。たとえば時計を100本集めたとしても、人間は必ず101本目が欲しくなるからです。このむなしさに早く気がついたほうが、幸せだと思います。』 と語られていますが、本当にそのとおり。ストンと腹に落ちます。

 しかし、絶対に制限しなければならない、というものではなく、人間の弱さを理解し"欲望"とうまく折り合いをつけることとしています。著者の人間性を垣間見れるところですね。例えば、『右目では"欲"を見ながら、左目では自らを高めることや人が幸せになることを自分の喜びとする』とか、してしまった過ちについて『振り返り(反省)は、人生において最も大切な行為。この繰り返しこそが、あるべき生き方ができるようになる唯一の方法。』としています。

 次に、夢について大事なのは、”行動すること”、”諦めないこと” そして "『いつまでにどうなりたいか』をイメージすること" と指摘されています。このことは、繰り返しにより刷り込まれるような感覚さえ覚えます。それだけ大事だということ。中でも次の3つの解釈は気に入っています。

『夢の大小は比較するものではない。夢は成長する。大切なのは、目標に向かうプロセスのなかで、自らを高めることにあります。この観点から見れば、敵はあくまで「昨日までの自分」です。人生は他人との競争ではありません。あくまでも、自分自身とのレースです』

『夢を持ったならば、決してあきらめないでください。世の中に失敗は何一つありません。ただ、あきらめたときが失敗であり、あきらめたときにものごとは終わります。


『意思が行動を生むことはたしかです。しかし「~べき」という意思は継続力が強くありません。一方「~でありたい」というイメージは、意思以上に力を発揮します。人間の潜在意識の力は、顕在意識よりも強いのです。夢が先、イメージが先。意思はイメージをフォローするもの。』


 最後の「人間の潜在意識の力は、顕在意識よりも強い」というのは、確かにそのとおりということなのですが、普段あまり気にしていないので、強烈に響きました。「自分がどうなりたいか」をじっくり考えよう。獏としてではなく、イメージだ!


 ここに書かれている手法をワタミ社内でもやっているそうです。ちょっと宗教っぽい、と感じるのは(冷やかしではなく)、崇高でかつ明確な人生への訓示をお持ちで、会社というものが皆の夢を叶えるものとして捉えており、まして社長の思想に共感した社員さんたちを思うに、必然なのかなと。渡邉さんの著書は2冊目ですが、その崇高さは素晴らしいですね(実際、現場の方の見方は知る由もありませんが)。とても勉強になり、喚起されるものがあります。
2011-10-15 03:36 : 読書感想/書評 : コメント : 2 : トラックバック : 0 :

成功の波に乗る法則 / 角川 いつか


成功の波に乗る法則成功の波に乗る法則
(2008/12/17)
角川 いつか

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 成功するための手引書のように、45の様々なアドバイスが得られます。何でもそうなのですが、「原因と結果の法則」の、”原因”はほとんどが自分自身の中あると思います。ということで結果的に、自己啓発の心の持ちようをまとめたような内容になっています。まとめなので、それをさらに総括して紹介するのは難しい・・。全部が見逃せないポイントになっています。心の持ちようと書きましたが、話し方や笑わせ方まで結構幅広いです。
 
 著者は、多くの成功者と会っており、その方々を見て察した成功という結果がもたらせる”原因”をつぶさに観察したのだと思います。自らも著書が何冊もあることから、成功者という位置づけでいいと思います。ご自身の考えや行いも載っております。45のアドバイス(波に乗る法則)は、実際そのことが出来ている人は、会っていて気持ち良いだろうな、友達になりたくなるだろうな、というものばかりです。やはり”人間力”の高さがポイントのようです。例えば、「波に乗り向上していくための自分づくり」として、美学を持つ/勘を磨く/約束を守る/シャレがわかる/上手に遊ぶ/華がある/肩書きを気にしない/言葉遣いがしっかりしている/マナーを身につける/思いやり深い/感受性を身につける、などです。

 成功は初めの一歩と諦めないということが大事。それには、自分自身と他人に対しての接し方、要はすべて人間で完結されるんだなぁと実感。『何事にも「安住」しない』、『成功者は「自分を信じている」』、『よい環境に身をおいてステップアップ!』、『ゴールを決め逆算して生きる』、『真剣に話を聞けば、たくさん与えてくれる』、『人を大事にしていれば理解者が現れる』、『逆境こそチャンス!』と次から次へと。このアドバイスの明快さがいいですね。どこかしこで叫ばれているのと同じものもありますが、独自のものもあります。中から、私が「おっ、これは」と思った大切なこと5つを挙げます。

①ものまね芸人コロッケさんの話「あおいくま」
 あ:焦るな、お:怒るな、い:威張るな、く:くさるな、ま:負けるな

②枝葉の法則を活用する
 よい相手と出逢う前には、数多くの「華友(かゆう)」との出会いがあります。華友とは、あなたとソリが合わない、本当の友人になりえない人です。でも、そんなつきあいにくい相手でも、嫌な面に目をつむり半眼で接していれば、その人の先に良い出逢いが待っていることもあるのです。1本の木がどんどん枝葉を伸ばして大木になるように、一人の人物から出会いが広がっていく。その人のバックボーンが大きく上質であるほど、良い出逢いの可能性が広がります。

③ツキを呼び込む「運命の五人」
 心友(心を許しあえる友達。親友。)、ソウルメイト(自分と考えや行動が似ていて、強い共鳴を覚えられるひと。自分の分身。)、ガーディアン(自分を守り、助け、応援し、見方になってくれるひと。親衛隊。)、メンター(こうなりたいと思う、憧れの存在。人生の師)、運命の人(共に人生を歩んでいけるひと。配偶者、パートナー。)

④常に三つの視点を持つ
 渦中にいる自分、客観的な自分、相対的な自分

⑤いましている仕事を楽しめるということが、成功するための必須条件
 作家の浅田次郎さんは、「今やっていることを好きになれない人は、案外、何をやっても好きになれないのではないかと僕は思う」と言っています。
 
 各章末にある、成功者とのQA(対談のような)も秀逸です。どれも面白くて活き活きとした雰囲気が読み取れます。スラっと読める気持ちの良い本でした。
2011-10-10 07:16 : 読書感想/書評 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

それでもなお、人を愛しなさい / ケント・M・キース


それでもなお、人を愛しなさい―人生の意味を見つけるための逆説の10カ条それでもなお、人を愛しなさい―人生の意味を見つけるための逆説の10カ条
(2010/08/21)
ケント・M・キース

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 マザーテレサさんの心を揺さぶった『The Paradoxical Commandments』= 邦題『逆説の10ヶ条』。それを大学時代に書いたKent M Keithさん本人による解説本です。タイトルは、第1ヶ条からとられています。この10ヶ条に、解説は不要。まさに人生の訓示。


1 人は不合理で、わからず屋で、わがままな存在だ。
  それでもなお、人を愛しなさい。

2 何か良いことをすれば、隠された利己的な動機があるはずだと人に責められるだろう。
  それでもなお、良いことをしなさい。

3 成功すれば、うその友だちと本物の敵を得ることになる。
  それでもなお、成功しなさい。

4 今日の善行は明日になれば忘れられてしまうだろう。
  それでもなお、良いことをしなさい。

5 正直で率直なあり方はあなたを無防備にするだろう。
  それでもなお、正直で率直なあなたでいなさい。

6 最大の考えをもった最も大きな男女は、最小の心をもった最も小さな男女によって撃ち落されるかもしれない。
  それでもなお、大きな考えをもちなさい。

7 人は弱者をひいきにはするが、勝者の後にしかついていない。
  それでもなお、弱者のために戦いなさい。

8 何年もかけて築いたものが一夜にして崩れ去るかもしれない。
  それでもなお、築きあげなさい。

9 人が本当に助けを必要としていても、実際に助けの手を差し伸べると攻撃されるかもしれない。
  それでもなお、人を助けなさい。

10 世界のために最善を尽くしても、その見返りにひどい仕打ちを受けるかもしれない。
  それでもなお、世界のために最善を尽くしなさい。



 まさに聖人、綺麗事・・。"それでもなお"、この10ヶ条を実践する必要があるのだと、自然と受け入れられる力がこの本には詰まっています。皆がこのように考え行動したら、どんな世界になるのだろう。私もこんなのムリムリと思わず、一度ぐっとこらえてこれらの言葉を思い出そうと努力しようと思います。年月を重ねたあと、人生においての充実感が、きっと違ってくるような気がします。

 ご本人が運営されている(??)サイト(http://www.paradoxicalcommandments.com/)を見つけました。ここには当然、英語で10ヶ条が載っています。原文をそのまま見ておくのも良いかも知れませんね。「それでもなお」は、末尾の「Anyway」で表されます。"Anyway" いい単語だなと認識。私の好きな単語のparadoxの語源は、paraは"並んで"doxonは"意見"から "定説と相反する意見" ということだそうです。この形容詞が「paradoxical」で「逆説的な」になります。世の中Paradoxから出来ていると思い、バランスが必要だと考えておりましたが、この本に出会ったことで「それでもなお」という道具を手に入れた感じです。有難う。

Give the world the best you have anyway
2011-09-18 09:08 : 読書感想/書評 : コメント : 4 : トラックバック : 0 :

大地動乱の時代 / 石橋 克彦


大地動乱の時代―地震学者は警告する (岩波新書)大地動乱の時代―地震学者は警告する (岩波新書)
(1994/08/22)
石橋 克彦

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 阪神大震災の1年前に出版された本。日本が地震の活動期に入るということがかかれてあります。それは過去の地震を紐解くことで、長期スパンでみた大地震の予想であるのですが、それは"遅かれ早かれ当たるのだ"ということが分かります。そして、阪神大震災が発生、その前後にも巨大地震の数々(奥尻や中越など)、まさに日本列島は揺れているのかも知れません。

 内容は、主に江戸時代からの文献や資料から、巨大地震の起こった時期、地域、被害状況を解析しておられます。驚いたことに、死亡者数や建物の被害状況などが、結構鮮明に残っているのですね。次から次へと悲惨な状況描写があるので、「今東京で巨大地震がおこったら・・]とちょっと恐ろしくなります。というわけですから、当然著者は東京の一極集中のリスクと、地方分散を呼びかけておられます。研究する度にその危機感は膨れているだろうと想像します。なにせ、1994年当時から分散どころか、増々集中しているのですから・・。東日本に住んでいる方は、今回の大震災を経験し、災害のイメージ力が相当養われたと思います。そのイメージ力で、今首都圏直下大地震が起こったら、、東京湾に津波が押し寄せたら・・と考えるといかがでしょう。仕事が東京でしかないから・・とは言ってられないような気もします。

 この本で披露されるのは、過去の地震の解析やプレートの動き・歪の調査から、首都圏~南海にかけての巨大地震の長期スパンでの見解です。中でも著者の研究テーマ(?)だったと思われる、小田原地震が70年周期で起こるというものです。次の周期が2000年前後にあたるので、実は既に十年あまり過ぎてしまっているのですが、長期スパンでみる10年はそう長くはありません。今回の震災で多少周期がずれているだけかも知れません。富士山も含め、まさに不気味な時代なわけです。まぁいくら怖がっても仕方なく、備えることが重要なのでしょう。

 また、幕末~開国~関東大震災という動乱期が、ちょうど地震の活動期と重なっていたということを、歴史の出来事に沿って災害状況を解説している点が新鮮。まさに大地ごと異変が起こっていた!関東大震災より前の歴史は、主に事件・出来事を中心に語られるが、当然そこには大災害もあるということが分かる。要は事件だけでなく大災害も時代を形作る大きな要素だということです。歴史を読む際に忘れがちですが、今回の大震災が歴史上いかに大変なことで時代に大きな影響があるのかを考えれば、大切な視点だと認識させられました。

 ちょっと当著書とは直接関連ありませんが、興味を持ったので著者のその後をネットで検索してみました。すると、地震に対する原発の脆弱さに警鐘を鳴らしております。残念ながら、悪夢のような懸念は現実となりました。ここまでくると人災とも捉えられなくもありませんね。私たちは、それらに対して経済活動を優先しがちですが、もっと学者の警告に敏感になり、多少我慢をしてでも大災害に対する防御をしなければいけないのかなと、感じます。命あっての人生です。また未来にリスクを残さないことは義務です。原発は何かあった場合の影響が大きすぎ、かつ人間のコントロールが効かない。いくら安全安全と言っても、いやきちんと対策すれば本当に安全かもしれないけど、何十機もある原発が何十年、何百年も何もないわけありません。1回でも何かあったら、日本のみならず世界に悪影響を及ぼした今回のようなことになるのですから。。
2011-09-16 22:28 : 読書感想/書評 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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