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孫正義 リーダーのための意思決定の極意 / ソフトバンクアカデミア特別講義


孫正義 リーダーのための意思決定の極意孫正義 リーダーのための意思決定の極意
(2011/06/17)
ソフトバンクアカデミア特別講義

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 ソフトバンクが孫正義氏の後継者育成の為に開催している「ソフトバンクアカデミア」。その中で孫正義氏が行った講義2回の内容が本になりました。時期は2010年7月と9月です。

 1つは、「リーダーのための意思決定の極意」と称して、ケース設定し対応方法をAかBか選択する質問があり孫氏がどちらを選択するか、その選択の理由や背景を説明する構成。例えば「赤字の会社があった。創業して半年で、社員は十数名。ここに100億円を投資すべきか。あなたがリーダーなら、どちらを選びますか?」「A:投資すべき、B:投資しない」というもの。同様に、信頼していた部下が離反しるケースや、事業の撤退判断のケースなど、経営に直結する課題をどう判断していくかを問う質問を30個あります。ちなみに先ほどの選択は「A」。ずるいのが、解説に『ただし99%のケースは投資しない。先行きを読み、「よい赤字であれば投資すべき」』とあります。終始こんな感じ。ついつい自分が選んだ回答が、孫氏の選択と同じだった場合ちょっと嬉しい気持ちになるが、それはどうでも良い話。正解・不正解を求めるという類の話ではなく、趣旨はどのような判断基準で課題を見極めるかということが重要ということ。その判断には、”的確な将来への読み”をした上でイケると思ったものは”大胆に攻める!”というポリシーを強烈に感じます。とても勉強になります。

 もう1つは、「孫の二乗の兵法」と孫氏が独自に称したもので、それを構成する25文字の漢字「道天地将法頂情略七闘一流攻守群智信仁勇厳風林火山海」の解説です。その漢字ひとつひとつに経営に対する意味があり、それを意識しなくても意識しているがごとく振る舞えるくらいの理解を求めています。ここに孫氏の哲学が凝縮されています。理念、ビジョン、戦略など経営の根幹となる部分ですね。目的は明確「人々を幸せにする」創大な志!ナンバーワン戦略、7割以上の確率の場合にのみ勝負する(一か八かはやらない)、目標は明確に(300年継続、時価総額200兆円世界トップ10企業に)、戦略的シナジーグループなどの行動指針的なことまで明記されています。ノウハウの塊を惜しげもなく放出。

 リーダーとしてやはりビジョンの大切さは切に感じました。孫氏は以下のような言葉でそれを強調しております。『「新30年ビジョン」も、1年間かけて考え抜いて、そしてもちろん、グループの皆さんと一緒に練り上げたものです。2、3日でビジョンをつくるようなやつは失格だし、ましてやビジョンのないやつは絶対にリーダーになってはいけない。』 

 特別に孫正義氏に好き嫌いという感情はないので、変な思い入れもなくフラットな視線で読めました。人をその気にさせるのは流石ですし、それに値する情熱と努力が”本物”なのだろう、いうことは感じました。素晴らしいと思う。中には、そのカリスマ性やプレゼンの上手さから、ちょっと信仰的になっている方も多いですね。そんな中、このアカデミアへの参加で、次期社長をもくろんで集まる人々ってどうなのだろうと。取り組み自体は良いことですが、そこに集まる人の”質”はどうか。少なくとも「自ら切り開く」という挑戦心には疑いを持つし、仮にあったとしても「手っ取り早く」という昨今の効率偏重思想を垣間見てしまう(そんな人に付いていく人はいるのだろうか)。そういった面々が、意気揚々とギラギラしている状況って、ちょっと怖い。嫌悪感も。もちろん後継者は人間性や今までの取り組みも考慮して入念に選ばれるので心配はないと思う。ただ私は、これを勉強の場と捉え、自らソフトバンクに対抗できるような事業を考えている人が出てくるといいな、とも思う。
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2011-06-27 22:51 : 読書感想/書評-IT&ビジネス : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

my favorite bracelet!

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 ホワイトハーツ(ホワイトハート?)というアンティークビーズ。約100年前にベネチアで作られたガラス製で、真ん中の紐を通す穴の周辺が白色になっています。これが名前の由来かどうかは知りません。購入した製品がベネチア製かどうかも・・・知りません。知る手立てがない。けど、そのものが気に入っているので、どうでもいい。手作りのせいかビーズの大きさがバラバラで、古いだけ合って傷があったり黒ずんでいたりして、味があります。様々な色がある中で、レッドと迷ったのですが、マイナーと思われるオレンジにしました。

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 こちらは屋久杉です。いい香り~。いい肌触り~。水晶には、文字が3つ刻めて、子どもたちの名前にも使った好きな漢字2文字と、やはり妻の名前からとろうかと思ったのですが、1文字にしてしまうと意味や字体が合わない・・・なので(ゴメン)、「挑」にしました。これからの姿勢として。。

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 2つ同時に付けることはないけど、それぞれ写真は面倒だから一緒に。両方共、歴史ある古来のものと思うと、何か身が引き締まります。有り難く使わせていただいております。
2011-06-25 23:13 : mono/food : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

垂直の記憶 / 山野井 泰史


垂直の記憶 (ヤマケイ文庫)垂直の記憶 (ヤマケイ文庫)
(2010/11/01)
山野井泰史

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 ソロクライマー山野井さんの著書。まずは、その偉大なる足跡をWikipediaでチェック。挑戦に継ぐ挑戦、そしてストイック。この本では手足の指10本すべてを切断するところ(時期)までだけど、その後もひたすら登り続けているのですね。

 内容は、数々の挑戦の中から数箇所を選んで、行動の記録と心情を率直に語られたような感じ。誇張は一切感じ無い。自らの顕示欲もない。素直に素の著者を垣間見れた感じがとても心地良く、一気にファンになる。素敵過ぎる。カッコイイ。雪崩に巻き込まれ命が首の皮一枚つながってるだけのような過酷な状況も淡々と述べられており、逆にリアル。ちょっとその場面を想像するだけで、こちらの目がくらむ。怖いくらいに。

 敢えて難関で未踏のコースを選び、酸素ボンベも付けずに1人でよじ登って行く。時には奥様を含めた少人数のパーティの時もあるが、基本は1人が多いようだ。孤独だろうな。登っていて途中で疲れて動けなくなり、配下は数千メートルにもなる絶壁で、戻るに戻れない状況。とてもじゃないけど私は無理。しかし著者はそのチャレンジを楽しんでいる。これはもう人間のでき方が違っていると思わざるを得ない、ここまで差を感じたのは初めて。

 ひたすら人間”山野井泰史”さんを想う読書となった。登山は過酷で死ととなり合わせという印象はそのままなのですが、第三者的な自分の力量測定がしっかりできているかどうか、状況判断を感情論抜きでできているか、冷静にいられるかどうか、の要素で死の確率は大分左右されるのだなといのが著者の行動から分かった(死んでしまう人は、それなりの自分の中の原因もあるということも)。その要素が備わっているのが山野井さんだからこそ、何か安心できてしまう。ここでの教訓は、死と隣り合わせという究極の状況から導きだされており、普段のシーンでも使えそうだ。

 控えめで、挑戦のみに価値観を置いている(名誉欲や金銭欲などが少ない)ところ、敢えて個の力のみで登るというスタイル、話題性ではなく難易度による登山を評価する純粋さ。同姓としても惚れる(抱いて欲しいとは思わないけど・・)。偉大な本に出会った。
2011-06-23 22:49 : 読書感想/書評 : コメント : 2 : トラックバック : 0 :

TCO 持つ人の資格

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 これ室内です。銀座一等地に、こんな贅沢な空間。吹き抜けスペースにキリンさんがいらっしゃいました。

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 ここはスウォッチジャパンのOMEGAカスタマー窓口フロアです。窓口ガラスの向こうでは技工士さんがせっせと時計を修理されています。機械時計は数年に1回オーバーホールが必要。それだけで4万円弱かかります(なので4万円未満の機械時計はオーバーホールする金額で、新しい物が買えてしまう)。購入時の負担はもちろんですが、持っているための費用がかかるということですね。「費用は4万円弱になります」と言われても、さらっと「お願いします」と言わないといけませんよ、これは(キリッ)。持ち主の義務。ぷっ、、。予め金額を知らなかったら一瞬止まるでしょうけど・・。

 TCO(Total Cost of Ownership)。持つ人にそれだけの負担を負わせる代わり、それだけの価値を提供する。このフロアだってその一環でしょう。ブランドの心意気がビシビシ感じます。機械時計は音が良いし、付けていてしっくりきます。落ち着きますし。精巧に作られる細かい部品部品。それをひとつひとつ組み立てるマイスター。電気の力を借りずに正確な時間を刻む駆動の調整。いわば技術の結集です。そんな機械時計は、身に付ける喜びを与えると同時に、品格を求めているようです。職人さんの心意気が、身を引き締める。

 でもまだまだ贅沢だ、と言い聞かせて見るだけの趣味。just looking! 高級なものは、結婚時に購入したこの1本だけで我慢しとります(高級といっても、20万も30万もする代物ではありまへん)。いつか欲しい時計はたくさん胸の中に並んでおります・・。それもまた幸せ。
(そういえば、結納返しでスピードマスターが大人気だった時代がありましたね。私のは、結納返しでもスピードマスターでもありませんが、結婚を機にしているのは同じかも。なぜ結婚を機にしているかは、もちろん「当分買えない、今しかない」という危機感から・・、正解でした)

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 さてオーバーホールから帰ってきたOMEGA。綺麗になって帰ってきた。お帰り。なでなで、すりすり。再度保証もついてます。保証書の入れ物もオシャレ。こんなところにも心遣いを感じます。高かったけど、、何かよかった~、満足(こう思わせるメーカーの努力が凄い)。それにしてもオーバーホール代金を考えると、いくつも高級機械時計を持っている人は大変だ。同時期にタグホイヤのクウォーツも電池交換&簡易修理したのですが、クウォーツもオーバーホールってあるんですね。知らなかった・・。こちらは状態が悪い場合にはオーバーホールが必要ということでしたが、幸い簡易修理だけで済んだので良かった。

2011-06-20 04:16 : mono/food : コメント : 2 : トラックバック : 0 :

商売心得帖 / 松下 幸之助


商売心得帖 (PHP文庫)商売心得帖 (PHP文庫)
(2001/05/01)
松下 幸之助

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 経営の神様、松下幸之助さんの著、その名も「商売心得帖」、いかにもというタイトルです。平易な言葉で、完結に商売に対する心得を説いていきます。1973年出版ですが、内容については全く古くありません。というよりは、時代を超えた永遠の定理のような感じさえします。それは”人”に焦点をあてているからなのでしょう。何かしらのテクニックや思想を紹介したものではありません。

 いいものを適正価格で売る、取引先を大切にする、お得意先は親戚同様、公明正大な競争、周囲を含めた発展を考える、等々 ごく当たり前のような感じですが、それは1つ1つを見るからであって、これだけのことをいざ全て実行できているかというと、なかなか難しい。この次々に提示される訓示のボリューム感に価値がある。チェックリストになるかな、とも思います。そして、一貫して相手を思いやる気持ちを感じます。商売だけに言えたことではないとは思いますが、商売ならなおさらですね。面白いのが、夫婦仲が良い店はだいたいうまくいっているという観察。こんなところにも人間味を感じます。

 商売が大きくなると、人を雇うことになるので、人事面での心得も述べられております。頼もしさをもって任せる、長所を見て活用する、リーダーは一切の責任を持つ、など先ほどと同様、納得いくものばかり。中でも"衆知の結集"と"経営者の心根"の2点はもうさすがです。通常、トップに立てば、それまでの部下だった頃の視点はすっかり忘れて、忘れないまでも立場違えば何とやら・・となりがちですが、そんことは一切ありません。

 下意上達(今でいうとボトムアップでしょうか)で、部下の提案を喜ぶこと。これで衆知が結集できるとともに、従業員が喜びをもって仕事に従事することを説かれています。こんなに効率的なことはありません。そして、従業員が多くなるごとに部下に対して 「ああせい、こうせい」→「こうしてください、ああしてください」→「どうぞ頼みます、お願いします」→「手を合わせて拝む」という心根が必要だと。これがないと部下を生かして、よく働いてもらうことはできないとまでおっしゃられています。そりゃそんな思いで指示していれば、部下には伝わりますよね。この2点は生き方/思想も多種多様化し、いろんな人が集まる現代社会において、本当に重要なことだと思います。それを、既に40年前に確信されております。唸る。。

 文字も大きく、200ページというボリューム、ちょっと時間が空いた時に自分の素行を省みるときにいいかもしれません。この心得帖シリーズは商売の他に、経営心得帖、社員心得帖、人生心得帖とあるようなので、同じような内容だろうなぁと思いつつ、いつか手に取りそうです。
2011-06-17 22:30 : 読書感想/書評-IT&ビジネス : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

妻の癌-69 ヤッターウーマン

 祝・術後3年検診の結果、良好でございます!有難う、心配くださった方、協力してくれた親族・知人。おめでとう、我が家。晴れて、癌サバイバー(仮)になりました。(仮)が取れるのはあと2年、術後5年。

 先生曰く、「今日の検査結果が良かったから言うけど、この病状は非常に悪かった。痛いのを頑張ったかいがあった。転移・再発の可能性がないわけではないけど、もう大丈夫。」と。

 ”大丈夫”という言葉が嬉しい。有難う御座います。病棟を出て、駐車場に行くまで、ついニヤケてしまう。この1年も、いろいろ心配事があった。リンパ浮腫も出てしまい落ち込んだ。また1年を頑張ろう。心配事は絶えないけど、乗り越えよう。

 子どもたち2人と一緒に書いたメッセージカードを夕食時に渡すと、鬼の目にも涙がみえたような気がした。ヤッターウーマン!

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 同じ境遇の方やそのご家族の方がもし読まれたらどう思うだろうと悩みつつ掲載しました。もし励ましになっていたら嬉しいし、嫌な気持ちにさせてしまったら御免なさい。いづれにしても、良い方向に向かって欲しいと心からお祈りしております。
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2011-06-13 21:46 : 妻の乳癌との共生 : コメント : 2 : トラックバック : 0 :

なぜ人を殺してはいけないのか / 小浜 逸郎


なぜ人を殺してはいけないのか―新しい倫理学のために (新書y (010))なぜ人を殺してはいけないのか―新しい倫理学のために (新書y (010))
(2000/07)
小浜 逸郎

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 以下の10の質問に対して、批評家である著者が回答していくという構成。本のタイトルはその中の1つ(⑧)をとったもの。ちなみに著者は工学部卒です。なかなかこの設定が上手い。企画のポイントを抑えていますね。

①人は何のために生きるのか
②自殺は許されない行為か
③「私」とは何か、「自分」とは何か
④人を愛するとはどういうことか
⑤不倫は許されない行為か
⑥売春(買春)は悪か
⑦他人に迷惑をかけなければ何をやってもよいのか
⑧なぜ人を殺してはいけないのか
⑨死刑は廃止すべきか
⑩戦争責任をどう負うべきか

 哲学的な①~④に対して、道徳的な⑤~⑩という感じでしょうか。正解が無い問い、そもそも問うこと自体が間違っているようなものまで、著者は果敢に挑戦している。過激で鮮烈な見解を期待する方は読む本が間違っていると言える。わざと難しく書いてあるのではないかというような、思想の深さをひけらかした哲学書ではない。感情的なものを抜きに、論理的に一つ一つの納得のいく見方を搾り出していく。見方は正解ではなく、納得性のある"いなし"でもあります。

 例えば、⑥に対しての見方は、『売春は、物語をできるだけ排した、見知らぬ異性間の簡便な接触の仕方である。そういう酷薄なものをわざわざ人は求めることがある。表街道の社会道徳がどんなにそれを恥じようと、それが性的関係の原型をなぞっている限り、「悪」であるなどとはだれにも言えないのだ。~略~しかし同時に、売春が、完全にクリーンで陰りのないイメージのものになるなどということもありえない。私たちはたとえ売春を肯定するとしても、肯定の悪乗りをすべきではない。』というもの、⑦に対しては、『この原則は、社会的なルール感覚や人と人との間を結ぶ絆を培うための必要最低限の条件に過ぎず、~略~「自分と直接的な関わりのある身近な他者をさしたる理由もなく怒らせたり悲しませたりすべきではない」という命題を付け加えるべきであろう』という感じです。そして⑨については、『事実上死刑判決を下す必要がほとんどなくなったとしても、刑罰の極限の概念までも捨て去る理由はない』とし、仮に無くしてしまったら『人倫の内的な秩序を崩していくことにつながる』としている。要は『「万死に値する行為」の概念を人間は捨てないほうがいい』という幅を持たせているのです。

 中でも一番のお気に入りは、①の問いに対する『人生には「意味」も「目的」もありはしない。自ら納得しうる意味・目的をいかに虚構するか』という見方。これは良い。納得だし、虚構する(その気にさせる?)ということであれば、余程気が楽だ。

 道徳的なものについての内容は、本能的に良し悪しを理解している人にとって、何をとつとつと理屈をこねくり回しているんだろう、と思うでしょう。ただ、行き過ぎた個人主義(成熟を見ないと言ったほうが良いか)がはびこり、本能的に理解できずにいちいち理屈っぽくなる人、何かしら自分の都合の良い理屈を付けないと納得しない人が多い中では、必要とされる議論なのかも知れません。うん、面白かったです。
2011-06-10 05:20 : 読書感想/書評 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

とろけるカステラです。とろけます。

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 銀座文明堂の「とろけるスフレカステラ」です。2月に購入したバウムクーヘンがうまかったので、再購入しようとお店に入ったら、なんとも美味しそうなパッケージ。今回はこっち。

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 付属のメイプルシロップをかけて、と。何だ!このカステラ!しっとり。まいう~。すばらしく美味。ごちそうさまでした。4人で分けると、少ないから物足りない。でも物足りないくらいが有り難い。

 東日本であれば、結構店舗数多い(特に銀座界隈は主なデパートに入っていて、7店舗!)ですし、通販もできるみたいなので、ぜひ!
2011-06-07 21:35 : mono/food : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

国富論 / 原 丈人


21世紀の国富論21世紀の国富論
(2007/06/21)
原 丈人

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 日本が、『「先進国」にとってなくてはならない国』『「発展途上国」からも必要とされる国』になるためには、どうすれば良いかを説いた内容。行き過ぎた資本主義、拝金主義に至った原因究明とこれからの先端技術の展望から、手法を提案しておられます。

 まず、行き過ぎた資本主義からですが、会社は株主のもの、その株主は短期利益のみを期待しており、中長期の事業展開の為のビジョンや内部留保も無くしてしまっている。ROEを経営評価の基準とし、新しいCEOはROEを良くするために売り上げを伸ばすよりは、まずリストラに走る、と。そのCEOも結局は、ストックオプションなどによる勝ち抜けを目指しており、株主と目的が一致するため、こうなったらもう歯止めが効かない。なるほど。そもそも、ベンチャーキャピタルにしても、新しい技術を育てるためには、中長期にわたってサポートしなければいけないところを、リスクを負いたくないために育てるという視点が欠けているそうだ。なるほど、頭の中が整理できた。

 そしてこれからの技術という説明には、PUC(Pervasive Ubiquitous Communication)という著者が作った用語を使われている。PUCとは、『使っていることを感じさせず(パーベイシブ)、あらゆる場所に遍在し(ユビキタス)、利用できるコミュニケーション機能のこと』で、そんな超越したコンピューティング技術の開発に対して、日本人の素質・技術力が活かしやすいという見解を持たれています。このPUCで日本が主導権を握れれば、世界で再び存在感を出せる、と。

 そのためには、『企業は従業員や顧客、仕入れ先などを含めた公共的なものであって、決して株主だけのものではありません。』『コーポレート・ガバナンスで最終的に大切なのは経営している人々の理念です。「企業は株主の物」という考えを基板に経営を行なっている以上、理想的なコーポレート・ガバナンスなどあるはずがないのです。』という企業の大きな捉え方を再定義。納得感満点。そして、株式や市場のあり方も、日本独自の良い物を作れば、世界の注目をあびお金が集まるとしています。これは新鮮、いままでいかにグローバルスタンダードに従うかという視点ばかり注目されてきていましたが、こういう見方もあるのかと。しかも、何か期待が持てます。

 さらにPCU関連でいうと、『「知的工業製品」をつくるベンチャービジネスの成功するためのポイントは、小さなマーケットにおいて大きなシェアをとることにつきます。』。良く分かっておられます(偉そうにスミマセン)。それを実現させるには、『集団のなかで個人の能力を最大限に発揮させなければ、このような特徴を持つ知的工業製品分野で新しい物が生れる可能性は低いでしょう。ピラミッド型の大きな組織ではなく、社長と社員のあいだにあまり差のないフラットな組織をもつネットワーク型の中小企業。』と組織のあり方についても言及。このような組織は、この移り変わりの激しい市場状況からも必要とされているスピード感を持った経営という、最近よく言われていることと共通します。

 現状分析/原因分析は大前研一さんの「お金の流れがかわった!」とほぼ同様なものを感じます。しかし面白いのが現状に対するアプローチが違うところ。大前さんは「問題はあるものの、仕組み上 仕方ない、起こるものは起こるのだから、逆にそれを上手く利用する」というものに対して、原さんは「新たなしかるべき仕組みを作って改善しよう」というものです。双方、比較できるものではなく、両輪となって現状打開するという方向性が正しいのだと思います。

 これ2007年(リーマンショック前だし、iPodもAndroidも発売前)に書かれていますからね~、先見性あります。この本のさらに凄いところは、問題点や課題をあぶり出しているだけではなく、”具体的な方策”まで提示しているところです。これはよほど腹を据えないと出来ません。しかも納得性がある!さらに凄いのは、机上の空論ではなく実現に向け確実に前進されているところです。こんな方が日本にいらっしゃるなんて、心から嬉しいと思いました。原さん、何だがカッコイイです。いや~、読んで良かったー!

★原さんの魅力に魅了されたい方は、ほぼ日刊イトイ新聞の記事がオススメです。
http://www.1101.com/hara/index.html
http://www.1101.com/hara/second/2008-09-08.html
2011-06-05 14:29 : 読書感想/書評-IT&ビジネス : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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korogaruishi

自分を信じ、転がり続けること
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